2025年07月17日

かのひと 超訳 世界恋愛詩集

20250711.jpgかのひと 超訳 世界恋愛詩集 菅原敏←Amazon

以下、Amazon 書評

今の恋も、昔の恋。
どの時代、どの国に生きようと、恋すれば私たちは何ひとつ変わらない。
ゲーテ、シェイクスピアから小野小町まで。恋愛を題材とした古典作品をモチーフに、気鋭の詩人 菅原敏が独自の感性で現代詩に昇華させた三十五編を収録。
現代美術家 久保田沙耶による古さと新しさを掛け合わせた斬新な絵も詩集に彩りを与えている。
ブックデザイン は多方面で活躍中のクリエイティブ・デザインスタジオ KIGIが担当。
大事な「かのひと」への贈り物にも使えるアーティスティックな一冊となっている。


この超訳恋愛詩集をもとに、
合唱曲がこの世界の巨匠によって作曲されています。

今年夏のコンクールで勝負する自由曲にその1曲、

「夜露のように消え失せろ」

が選ばれたらしい。
確か去年度の定演で歌っていたような気がする。

伊勢物語に出てくる3首の和歌が一つの現代詩として再構築されたものです。

文化祭で披露する際、娘は曲解説も華麗にこなしたが
実は、あんまり好きではないそうだ。
生徒の間では、この楽曲のロマンチックさに熱烈な支持者が多いそうですが、
娘があんまり好きでないポイントは、

六段(芥河)の

白玉か 何ぞと人の問いし時
露と答えて消えなましものを

これは主人公の男が恋焦がれる深窓の令嬢を盗み出したところ、
夜露を見て「あれは何? 真珠なの?」
と令嬢が聞くわけですよ。
それがあざとくて鼻につくのだそうです。

そこなのか!?
そこポイントとちゃうやろ、と思うんだけどまあ人の感性はそれぞれっていうか、
まだ秘めたる恋すら知らんのかも、と思った。
そろそろ何かあったでしょう?? 何もないんかなぁ。

私は曲があまりに良かったために、原典と言える詩集、「かのひと」を買ってしまった。

八十二段の有名な和歌が超訳されたものがサビになっているようです。

世の中にたえて桜のなかりせば 
春の心はのどけからまし

この世に桜がなかったならば
春の心はおだやかで
かき乱されることはない
この世にお前がいなければ
ひとりの夜さえおだやかで
酒と歌とで満ち足りた
(菅原敏 超訳)


↑ここの音楽と合わせ技の破壊力はなかなかのものだと思います。

この詩集、すごく素敵です。
装丁も芸術的で。

個人的に好きだったのは
シェークスピアの ソネット130の超訳。

太陽より瞳が輝いていたり、雪のように肌が白かったりしないけど、
他の詩人が嘘の比喩で美しさを讃えるどんな女性より自分の恋人は綺麗だ

というような意味の詩が斬新でよかった。

お勧めです。
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posted by さと at 14:18| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校合唱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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