7年ぶりぐらいに地上波に登場したこの辛い作品を見始めた娘。
若い頃は見られたんだけど、子供の居る人、これは観ていられない。
こんな時代をまた作ったらあかんよ、という啓蒙的な意味で見続けられて欲しい作品ではある。
ただ、私も最後に見たのは一体いつのことだろうと思うほど前のことで、
今回ちらちら見て思ったのは、
私が思う名作の特徴を備えていて、どんなに時が過ぎても話題になるのだと思います。
娯楽のために消費する作品は、いつ読んでもいつ観ても同じように楽しいのだけれど、
名作は触れる年齢ごとに全然違う深みを増すと思うのです。
一番違って見えたのは、
西宮のおばさんが実に真っ当な意見を持っているのだなということ。
大人げのない嫌味ったらしい言い方でなくて
上手く清太に伝わるように話せば結果は違っていたかもしれないのにと思ったり。
結果が違ってしまったら「火垂るの墓」は成り立たないんだけど、まあ一視聴者の願望です。
清太がお金持ちの子供で、お父さんは生きているはずだと思い込んでいるから
ああいう反応になるのかとも思うけど、
生きる感覚みたいなものがあまり研ぎ澄まされていない。
ちょっと譲って協力的に振る舞うことが出来れば節っちゃんが死ぬことは
なかったかもしれないのにな…とまた願望。
逞しく周囲に溶け込む力が欲しかった。
普遍的な反戦映画でもあるけれど、
こんな断絶と孤立の日常は戦時中でなくても広がっていくのかもしれません。
何にせよ、やり切れない気分にはなります。
ラベル:映画
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